先日、趣味のロードバイクでのんびりサイクリングしてきました。
お気に入りの半袖サイクリングジャージを着てのライド。久々のサイクリングでとても楽しく過ごせたのですが、その日の夜に自分の腕を見て驚きました。
少しヒリヒリする感覚はあったのですが、よく見ると肌が露出していたところが真っ赤なんです。
そして、この腕を見て思ったこと・・・
紫外線の恐怖、本日はそういうお話です。
紫外線とは
太陽は私たちの生活になくてはならないものです。ですが、太陽からは目に見える光(可視光線)のほかに、赤外線や紫外線なども発生しています。
紫外線は波長によりA、B、Cに分類されています。
引用:エイブリック株式会社 紫外線を活用する ー紫外線センサでできることー
UV-A(紫外線A波)
UV-Aは、「紫外線のなかでも波長が長く、パワーは弱いが貫通力があり皮膚の奥まで浸透する。」という特徴を持っています。
私たちの肌の真皮の部分まで到達するため、“しわ”や“シミ”の原因となります。
UV-B(紫外線B波)
UV-Bは、「波長が短くパワーがとても強い。」のが特徴です。
近年、オゾン層の破壊による環境悪化等でも話題になっていました。
皮膚や目に有害で、日焼けや皮膚がん、白内障等の原因となる。
UV-C(紫外線C波)
UV-Cは空気中の酸素分子とオゾン層にさえぎられて、地表までは届かない。
紫外線のなかでも、UV-AとUV-Bが人体に悪影響を与えているんですね。
紫外線の恐怖【人体に与える影響】
それでは、紫外線が人体にどんな影響を与えるのか、もう少し詳しく見てみましょう。
紫外線が健康に与える影響には「急性」のものと「慢性」のものがあります。
引用:環境省 紫外線 環境保健マニュアル 2008 より
急性傷害
日焼け(サンバーン、サンタン)
日焼けは、“紫外線”を浴びる(曝露)ことによって起こります。日焼けも“サンバーン”と“サンタン”の2つに分けることが出来ます。
サンバーンとは、紫外線を浴びて数時間後から現れる赤く火傷したような日焼け(紅班)のことです。これは、紫外線を浴びたことにより皮膚に炎症が起きている状態です。赤くピリピリした炎症が起こり、水ぶくれとなって皮がむけたりする場合もあります。
サンタンとは、赤い日焼けが消えた後に、数週間から数ヵ月続く黒い日焼けのことです。紫外線で色素細胞が刺激され、メラニンをたくさん作るために起こります。
紫外線角膜炎
家でも紫外線を浴びているレースのカーテンや家具などは傷みが早いですよね。
同じように、紫外線は目の角膜や網膜に影響を及ぼし、眼病や目の老化を早めてしまうことがあります。特に強い紫外線を浴びると、角膜が傷ついてしまい、黒目の表面から炎症を起こします。
紫外線角膜炎の症状としては充血や、涙、異物感、目の痛みなどがあります。
免疫力の低下
紫外線の影響のなかでも、近年注目されているのが免疫力の低下です。私たちの皮膚には、ランゲルハンス細胞という細胞があります。
ランゲルハンス細胞とは、細菌やウイルス、化学物質などの侵入を感知するセンサーの役割があり、この細胞からの情報を得て、病気などを予防する免疫システムが働くのです。
紫外線を多く浴びると、活性酸素によってランゲルハンス細胞のDNAが傷つき、うまく機能しなくなることがあります。その結果、免疫力が低下し、体調を崩しやすくなります。
慢性傷害
しわ、シミ
お爺ちゃんやお婆ちゃんの「顔」や「手」は、若者に比べると“しわ”や“シミ”が多いですよね。
これって歳を取ったことによる老化と思われていますが、実は皮膚の老化現象の8割は、紫外線による慢性傷害の結果だということを知っていましたか?
これは“光老化”といいます。光老化の原因となる光は、近赤外線やブルーライト等もあるのですが、最大の原因となるのは紫外線なのです。
良性・悪性腫瘍、皮膚がん
紫外線が関連している皮膚の腫瘍には良性の脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)と悪性のもの(皮膚がん)があります。
脂漏性角化症とは、別名:老人性いぼ とも呼ばれています。さわると僅かに盛り上がっているシミがそれです。80歳以上のほぼ全員にあり、皮膚の老化現象のひとつといわれています。
脂漏性角化症は良性なので、見た目以外は特に問題ないのですが、問題なのは“皮膚がん”です。
日本は世界で最も皮膚がんの少ない国です。最も多いオーストラリアやニュージーランドと比べると罹患率は約100分の1、死亡率でも40分の1程度です。
皮膚がんは、UV-Bの曝露と関連があります。前がん症である日光角化症と有棘細胞がんがあります。
日光角化症は、皮膚の浅いところ(表皮)にとどまっている初期の皮膚がんを指し、その状態では転移の心配などはありません。
しかし、無治療で放置しているとより悪性化し、浸潤性の有棘(ゆうきょく)細胞がんとなります。また転移すれば生命に関わることになります。
眼への影響
眼で受けた紫外線の多くは、目の表面を覆う角膜で吸収されますが、角膜を通過した紫外線はレンズの役割を果たしている水晶体で吸収されます。さらに水晶体を通過した僅かな紫外線は網膜まで到達します。
その影響により、急性の紫外線角膜炎や慢性の翼状片、白内障を引き起こす原因となっています。
紫外線角膜炎
強い紫外線を浴びると急性の角膜炎症を起こし、白目(結膜)の充血、異物感、涙が出る等の症状が出ます。ひどくなると目に痛みを感じることもあるようです。
雪面などの紫外線の反射が強い場所で起こる“雪目”も紫外線角膜症です。
紫外線角膜症の大部分は、1~2日で自然治癒します。
翼状片
白目の部分から黒目の部分に繊維組織が翼状に広がっていきます。瞳孔の近くまで進行すると視力に影響します。
農業や漁業等の戸外での活動が長い方に多く発症し、治療は外科的な切除を行います。2~7%の人は再発して再手術が必要になるようです。
白内障
白内障はよく聞く病気のひとつですね。白内障はレンズの役割を果たしている水晶体が濁ってしまい、網膜に届く光が少なくなり見えづらくなってしまう病気です。
紫外線は白内障を起こす主たる原因と言われています。
紫外線の恐怖【まとめ】
小麦色に日焼けした肌。なんだか健康そうなイメージを持っていませんでしたか?
美容の知識が豊富な女性は、“紫外線”の悪影響をよく知っているでしょうが、男性は意外と知らない人が多いのではないでしょうか。
男性でも栄養素に詳しい方は、このように思う方もいるかもしれません。
確かにその通りです。ビタミンDは皮膚で合成され、そのためには紫外線の助けが必要となります。
ですが、一日中外で紫外線を浴びても良いという訳ではないんです。
必要なビタミンDを合成するために必要なのは、①両手の甲の面積で15分間日光に当たる程度か②日陰で30分位すごす程度で良いと言われています。
食物からもビタミンDを摂ることが出来るので、両方合わせると必要なビタミンDは確保されるという訳です。
紫外線の恐怖について、最後にまとめてみましょう。
- 日焼けする(サンバーン、サンタン)
- 紫外線角膜炎などを発症したり、目の老化を早める
- ランゲルハンス細胞のDNAが傷つき免疫力が低下する
- 光老化により、しわ・シミが増える
- 脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)の原因となる
- 皮膚がんの原因となる
- 白内障、翼状片、紫外線角膜炎の眼病の原因となる
今回の記事は、いかがでしたか?
女性に限らず、男性も紫外線の浴びすぎには要注意ですね!
この記事が、あなたの『健康』のお役に立てると嬉しいです!
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それでは、また!