「牛乳を飲もう!」というキャンペーンはよく聞きます。
牛乳はカルシウムが特に豊富で、ビタミンCと鉄分を除いた栄養素が含まれる「完全栄養食品」と言われています。
でも、「牛乳はカルシウムの吸収を妨げる」といった側面があるのを知っていますか?
この記事では「牛乳は身体に悪い」という一つの説をご紹介いたします。
牛乳は骨をモロくする?
「牛乳」はカルシウムが豊富で、育ち盛りの子供たちに最適!
残念ながら、これは大きな錯覚です。
牛乳に含まれる乳糖は“ラクターゼ”という分解酵素によって分解されますが、この“ラクターゼ”は約75%の日本人の場合、離乳期以降は分泌されなくなります。
これは体内でラクターゼを作ることが出来ない「乳糖不耐症」といわれている症状です。
分解酵素がないため、牛乳からのカルシウムが吸収されません。
また牛乳は、急激に血中カルシウム濃度上昇させ、そのため身体が「カルシウム過剰と判断」、そして「骨に貯蔵していたをカルシウム放出」といった作用を起こします。
さらに牛乳を飲むことで、消化不良のタンパク質が腸に窒素残留物を増やします。その残留物が血中に吸収されると血液の酸性度が強まり、それを中和するためさらに骨からカルシウムを溶かしてしまうことになります。
牛乳を飲んでもカルシウムを吸収できないばかりでなく、他の食品から摂取したカルシウムを体外へ排泄してしまう。さらに悪いことに、もともと骨に蓄えられていたカルシウムまで放出してしまうというまさに三重苦状態。
つまり骨を丈夫にしようとして牛乳を飲んでも、丈夫になるどころか骨がモロくなってしまうのです。
なぜ牛乳が普及しているのか?
牛乳は学校給食などでも毎日のように出されていますが、なぜこれほど牛乳が普及しているのでしょうか?
牛乳は「飛鳥・平安時代(592~710年)」から飲まれていたそうです。その頃は庶民が飲めるものでは無かったそうです。
現在のように、誰でも毎日のように飲むようになったのは、学校給食で牛乳が本格的に出されるようになった昭和20年頃からです。
昭和20年といえば、そう大東亜戦争の終戦の年からです。
牛乳の普及は、日本にパン食を定着させアメリカの小麦を売るという、元々はアメリカの占領政策の一環という側面があることを知っておいたほうが良いでしょう。
牛乳が身体に与える影響
牛乳を飲むと骨がモロくなるという説を紹介しましたが、牛乳には他にも身体に悪いという説があります。
前立腺ガンになるリスクが増える
多くの研究者が「牛乳やヨーグルトなどの乳製品を多く摂取すると前立腺がんになるリスクが上がる」という研究結果を報告しています。
国立がん研究センターのホームページに「乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について」という報告があります。
対象者約4万3千人のうち、329人が前立腺がんになりました。乳製品、牛乳、チーズ、ヨーグルトの摂取量によって4つのグループに分けて、最も少ないグループに比べその他のグループで前立腺がんのリスクが何倍になるかを調べました。その結果、乳製品、牛乳、ヨーグルトの摂取量が最も多いグループの前立腺がんリスクは、最も少ないグループのそれぞれ約1.6倍、1.5倍、1.5倍で、摂取量が増えるほど前立腺がんのリスクが高くなるという結果でした(図1)。さらに、前立腺がんの進行度別にわけても、同様の結果がみられました。
出典:国立がん研究センター 乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について
乳がんのリスクが増える
女性の場合は、乳がんや卵巣がんのリスクを上げるとも言われています。
北米の女性53,000人を8年間追跡した米ロマリンダ大学の研究報告では、1日当たり1/4~1/3カップの乳製品を摂取すると、乳がんリスクが約30%増加したそうです。
さらに1日1杯まで摂取するとリスクは50%まで上昇し、1日に2~3杯摂取するとリスクは70~80%にまで増加したそうです。
現代の牛乳は妊娠した牛から搾られているから、多量の女性ホルモンや成長ホルモンを含んでいます。また抗生物質や過酸化脂質(別の言い方をすれば、ひどく錆びた脂)も入っています。
牛乳が性ホルモン系のがん(前立腺がん、乳がん、卵巣がん等)の発症リスクを高めるという説は、頭の隅には置いておいた方が良さそうです。
アレルギー体質を作る
過酸化脂質を多く含む牛乳は、人によっては腸内環境を悪化させ悪玉菌を増やしてしまうようです。
悪玉菌が増えるため腸内細菌はバランスを崩し、腸内に活性酸素、硫化水素、アンモニアなどの毒素が発生します。
その結果、アトピーや花粉症などのアレルギーを発症してしまう要因となっているという説もあります。
牛乳は嗜好品
この記事で紹介した説は、“牛乳”に関して諸説ある中から紹介したにすぎません。
こういった説を真っ向から否定するサイトも数多くあります。
銭湯の脱衣場で風呂上がり腰に手をあて
と言いたい方もいることでしょう。(こういう状況って、現代ではほぼ無いと思いますが)
なので、牛乳を飲みたければ「ご自由にお飲みください!」
ただし、“牛乳が身体に良いor悪い”の論争に決着は着いていませんが、牛乳は“完全栄養食品”で飲めば飲むほど健康に良いという訳では無いという認識は必要でしょう。
牛乳は子牛にとって“完全栄養食品”でしょうが、人間にとってはそうじゃありません。
カルシウムを摂りたいなら、小魚や大豆製品等の方がマグネシウムも含んでいるため良いです。(理想的なバランスは、カルシウム:マグネシウム=2:1と言われています)
牛乳が飲みたければ、嗜好品として適度に適量にすることが重要です。
「牛乳が身体に悪い」と言われる説の要点をまとめ
- 牛乳を飲んでもカルシウムは補給されない
- 牛乳を飲むとかえって骨がモロくなる
- 前立腺がん、乳がん、卵巣がんのリスクを上げる
- 腸を汚し、腸内細菌のバランスを崩す
今回の記事は、いかがでしたか?
『どうも最近体調がすぐれない』という場合、食生活を見直してみて下さい。
私達の身体は『食物』から出来ている。
それを忘れてはいけません。
この記事が、あなたの『健康』のお役に立てると嬉しいです!
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